初めて子猫を迎えるとその小ささに、ちゃんと育てられるのか不安になってしまいますよね。体や免疫が育っていない子猫を守るには、人間の赤ちゃんと同じように繊細な対応が必要です。

今回は、初めての方に向けて「子猫の育て方」をご紹介します。

お迎えしたら最初にやるべきことや育てるのに必要なアイテム、基本の育て方、ごはん、トイレ、お風呂まで、子猫との暮らしを丸ごとお伝えできる内容になっているので、ぜひ参考になさってください。
1.まずは動物病院で子猫の月齢・健康をチェック 子猫をお迎えしたら、まず初めにすべきなのは動物病院の受診です。子猫は成長度合いや体調によって、お世話の方法がまったく変わってきます。その子に一番いい育て方を知るために、獣医師さんに月齢や健康状態を診てもらいましょう。受診では寄生虫の有無の他、定期検診やワクチン接種のタイミング、食事内容などのアドバイスも受けられます。子猫のうちは頻繁に通うことになるので、自宅近くで通いやすく、信頼できる病院を選びましょう。 2.子猫を飼うときに必要なグッズ一覧 子猫との生活を始めることになったら、必要なアイテムを揃えましょう。すぐに必要な子猫用品は以下の通りです。 子猫用ミルク・キャットフード 生後4週間頃までは子猫用ミルク、生後4~8週間頃からは子猫用フードが基本ですが、個体差が大きいので、その子の成長度合いや体調に合わせることが大切です。わからない場合は子猫がいたお店やかかりつけ医に相談しましょう。購入の際は、「子猫用」の表記があるごはんを購入します。 シリンジ・フードボウル・水入れ 小さい子猫の水分補給には子猫用のシリンジや哺乳瓶が必要です。お皿から直接飲めるようになったら、ひっくり返しにくく体格に合った高さのフードボウルや水入れを選びましょう。水入れは2~3個用意して、複数の箇所に設置します。 ベッド 子猫が安心してくつろげるベッドを用意します。専用ベッドを購入できない場合は、かごや箱で代用可能です。フリースやクッション、柔らかい布などを敷いて、寝心地のいい場所を作ってあげましょう。 猫用トイレ・猫砂・シート トイレは自力で排泄できるようになる生後4~5週間頃までに用意します。小さい体でもまたぎやすい形のトイレを選びましょう。猫砂は好みが分かれるので、初めは数種類を少しずつ準備して子猫に好みのものを選んでもらうと、しつけがスムーズになります。 ケージ・サークル 来客時やお留守番、万一の入院に備えて、小さい頃からケージに慣れさせましょう。寝床やトイレを入れて、子猫が安心できる環境を整えます。慣れない来客や地震など猫が不安な時の避難先としても役立ちます。 キャリーバッグ 病院やお出かけ時には、キャリーバッグがマストです。災害が起こった際の避難にも欠かせない移動アイテムなので早めに用意し、部屋に二尾開けた状態で設置して慣れさせておきましょう。 おもちゃ 猫用おもちゃがあると、元気がありあまる子猫がストレス解消できます。飼い主とのコミュニケーションにも役立つので、早めにおもちゃを用意してたくさん遊んであげましょう。 キャットタワー 猫は上下運動が好きなので足がしっかりしてくると家具を飛び回ります。早めに安全なキャットタワーを設置するといいでしょう。手軽に設置でき移動も簡単な置くタイプと、高さが出る突っ張り棒タイプなど様々なデザインが販売されています。安定感のある安全性が高いものを選びましょう。 お手入れ用品 子猫の時から、爪切りや歯磨き、ブラッシングなどのお手入れの習慣をつけることは大切です。初心者でも使いやすい爪切りや歯磨きアイテム、マッサージ効果のあるブラシを準備しておくと役立ちます。 3.子猫のごはんのあげ方と注意点 子猫の育て方で特に注意したいのは「ごはんのあげ方」です。成長を助けるごはんのあげ方と、食べさせてはいけない物を押さえておきましょう。 子猫のごはんは成長に合わせる 子猫のごはんは、消化器官の成長に合わせて、その年齢に必要な栄養素を満たした内容で与えることが大切です。3つの成長期をふまえてごはんの与え方を調整しましょう。 授乳期(0~生後4週間) <食事回数の目安>
授乳期は2~3時間おき(1日8~12回程度)の頻度でミルクをあげます。生後21日以降は4~6回程にしましょう。
<与え方>
高脂肪・高タンパクな母猫の母乳か子猫用ミルクだけを与えます。ミルクは人肌程度にあたため、子猫用の哺乳瓶かシリンジを使って子ねこのペースで飲ませることが大切です。胃が小さく、一度にごく少量しか飲めないため様子を見ながら複数回に分けます。
<注意点>
授乳期の子猫は、ミルクを3~4時間飲まなかっただけで、深刻な低血糖や脱水症を起こす危険があるため、意識してこまめに与えましょう。
飲まない時は体が冷えているか便秘の可能性あります。吐き出してしまうときは、姿勢が悪かったり、吸い口の穴が大きすぎたりしないか確認しましょう。口に深く入りすぎている場合もあります。 離乳期(生後4~8週間) <食事回数の目安>
離乳期に入ったら1日4~6回を目安にミルクや離乳食を与えます。食欲旺盛でも一度にたくさんは食べられません。週齢を重ねて食べられる量が増えてきたら、少しずつ食事の間隔を空けていきましょう。飲み水もこのあたりから少しずつ与え始めましょう。
<与え方>
ミルクに加えて、離乳食として子猫用のウェットフードやお湯でふやかしたドライフードなど柔らかくて飲み込みやすいものを少しずつ与えます。
飲み水はシリンジで飲ませることから始めて、慣れてきたら新鮮な水をボウルに入れて何か所かに分けて設置します。水を飲みたがらない子には、興味を持ちやすい水が動く循環式の容器を用意してみましょう。<注意点>
食事が急に変わると下痢を招くことがあるため、食欲旺盛な子であっても、離乳食の量は少しずつ増やしてください。また、初めての食べ物に警戒して食べないケースもあるので、ミルクをかけたり、手のひらからあげたりして安心させてあげましょう。
子猫用フード期(生後8週間~1歳頃) <食事回数の目安>
生後8週間~1歳頃までは以下の回数を参考に、子猫用フードを与えます。あくまで目安なのでその子の食べ方を見ながら調整してあげましょう。
  • 生後8週間~生後4カ月は1日5~6回程度
  • 生後4~6カ月は1日3~4回程度
  • 生後6カ月~1歳頃は1日2~3回程度
<与え方>
すぐにドライフードばかりを食べさせるのではなく、最初はウェットフードと混ぜたり、ミルクでふやかしたりして与えるのがポイントです。その後はドライとウェットを交互に与え、少しずつ歯ごたえのある食事に慣らします。
<注意点>
丈夫な体を作るために食事内容が重要な時期です。ビタミンやミネラル、たんぱく質など骨格や体格を生成するのに必要な栄養素を含んだ食事を与えましょう。必ず「子猫用」のフードで、「総合栄養食」をあげてください。
子猫に与えてはいけない食べ物 子猫には食べさせてはいけない食べ物があります。体の小さな子猫はわずかな量でも危険な状態に陥ることあるため注意しましょう。以下の食べ物は、子猫に与えるのは避けてください。
  • 大人用フード:消化不良や栄養不足を招く
  • 牛乳:消化不良や栄養不足を招く
  • またたび:刺激でパニックを起こす可能性があるため、脳が充分に発達した生後1歳以上から与える
  • 人間の食べ物:人間の食べ物をあげるのは、基本的にNG
また下記の食べ物は、成猫であっても与えてはいけない特に危険な食べ物です。命に関わる中毒を起こす場合があります。
  • ネギ類
  • チョコレート
  • スパイス類
  • 生のイカ、タコ、エビ
  • アワビやサザエの肝
  • 生卵
  • 生の豚肉
  • 骨 など
万が一、食べてしまったら症状の有無にかかわらず、すぐに動物病院に連れていきましょう。食べた食材、食べた時間、症状などを記録して医師に伝えると治療に役立ちます。 4.子猫のトイレのお世話 トイレの知識は子猫と一緒に暮らすうえで欠かせません。トイレトレーニングは生後4週間頃から、その前はティシュやタオルで拭いてあげるようにします。 子猫のトイレトレーニング <生後4週間頃まで> 生まれて間もない子猫は自力で排泄できない場合がほとんどです。生後4週間頃までは、母猫がなめるようなイメージで、ティッシュやタオルで陰部を優しく刺激し、排泄を促してあげましょう。ミルクを与える前に行うと飲みが良くなります。 <生後4~5週間頃以降> 生後4~5週間頃に自力で排泄できるようになったら、以下の手順でトイレトレーニングをスタートしましょう。「失敗しても怒らない・成功したら褒める」を繰り返して、トイレを覚えさせていきます。① 人目の少ない静かな場所にトイレを置く。
② トイレサイン※が見られたら、優しく抱っこしてトイレに移動させる。
※床の臭いをしきりに嗅ぐ、床を掘る動きをする、落ち着きがなくグルグル回るなど
子猫のトイレの注意事項 子猫のトイレで注意すべき点は、子猫が安心して排泄できる環境を維持することと、健康状態のチェックです。猫はきれい好きなので最低でも1日1回は掃除し、便に気が付いたらすぐに片づけます。
また、3回以上連続して下痢をしている、もしくは1日以上下痢が続いている場合は、早めに動物病院を受診してください。
5.子猫のお風呂は生後3カ月以上から 猫にとってお風呂は必ず必要なものではありません。むしろ子猫には負担が大きいものでもあるので、お風呂に入れるのは生後3カ月以上経ってからにしましょう。体温調整のできない子猫をお風呂に入れると、体を冷やして命にかかわる状態になるケースもあるため注意が必要です。お風呂デビューはワクチン接種が完了し、抵抗力がついた後が基本です。こびりついた汚物やノミを取るためにシャンプーをしたい場合は、獣医師に相談してから行うといいでしょう。ノミ・マダニの除去が目的なら、ノミ取りコームも活用できます。 6.まとめ 子猫を飼い始めるときは、最初に動物病院を受診してその子に合った育て方を知り、健康管理のための環境を整えましょう。生まれて間もない子猫はミルクをこまめにあげて、月齢を重ねるにつれて、少しずつフードや水も与えていきます。必要なものを揃えた後は、食事・トイレ・お風呂のやり方や、子猫に与えてはいけない食べ物など注意すべきことを覚えていきましょう。一般的な知識を取り入れつつ、子猫の成長と健康状態に合わせた育て方をすることが大切です。
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