コーギーというと、しっぽのないぷりぷりとしたお尻を思い浮かべる人が多いでしょう。でも、それは生まれつきの姿ではありません。ほとんどのコーギーは人工的にしっぽをカットされているのです。

コーギーは歴史的な背景があって長らく断尾されてきましたが、最近はそれが見直されてしっぽを残す子も増えています。

そこで今回は、コーギー犬の特徴やしっぽが切られる時期と理由について詳しく解説します。断尾に対する考え方の変化もみてみましょう。
1.コーギーってどんな犬種? コーギーは胴長短足の容姿にピンと立った大きな耳、そして何よりぷりぷりとしたお尻が可愛らしい中型犬です。原産国のイギリスでは牧羊犬として活躍していました。ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとウェルシュ・コーギー・カーディガンという2種類がいて、ペンブロークは「ごく短いしっぽ」か「しっぽなし」、カーディガンは「長いしっぽ」が特徴です。日本では前者のペンブロークが多く飼育されています。ペンブロークのコーギーには、生まれつきしっぽのない「ナチュラルボブ」もいますが、大抵のしっぽなしの子は小さな頃に人工的にカットされています。 2.コーギーのしっぽはいつ頃切られる? コーギーのしっぽは、生後2~5日頃に獣医師が麻酔なしで切断するのが一般的です。これは、生まれて間もない子犬は知覚が未発達で痛みを感じにくいことと、まだ麻酔を使うのは危険だからです。生後8日以降に切断する場合は、麻酔に耐えられる時期まで待ってから全身麻酔をかけて行われます。断尾には、獣医師がメスなどの外科的手法で切り落とす「切断法」と、ブリーダーなどが行うゴムバンドできつく縛ってしっぽを壊死させる「結紮法」がありますが、日本では切断法が一般的です。 3.コーギーのしっぽを切る理由 「生まれ持ったしっぽをどうして切るのだろう」と疑問に思いますよね。コーギーの断尾は、牧羊犬としての安全や歴史的背景が理由で行われてきました。 牧羊犬として働くため もともと牧羊犬として飼育されていたコーギーは、しっぽが長いと走る際に邪魔になったり、家畜にしっぽを踏まれたり噛まれたりする危険性が高かったのです。もし、牛の群れの中でしっぽをふまれて動けなくなったら、小さなコーギーはひとたまりもありません。 税金対策のため かつてイギリスは、しっぽのある犬に課税するという法律があり、税金を免れるために牧羊犬として必要なコーギーを断尾する習慣が始まったといわれています。この時期は他の様々な犬種もしっぽを切られたようです。 きつねと間違われないため キツネに間違われないように断尾していたという説もあります。コーギーはキツネに似た黄金色の毛にふさふさのしっぽ、大きな耳を持っているので、狩猟の際に間違えて銃で撃たれないように、識別するためにしっぽを切っていたそうです。 衛生的に保つため 衛生的観点や迷信から断尾が流行した例もあります。牧羊犬という仕事柄、しっぽに糞や尿が付着して感染症や皮膚病を引き起こさないように断尾されるケースや、しっぽを切ると狂犬病の予防になる、瞬発力も良くなるなどの迷信もあったようです。 4.最近はしっぽを切らないスタイルが主流に 現代では牧羊犬として働くコーギーは少なく、ペットとして育てられるケースが増えたことから断尾の必要性はなくなりました。むしろ、しっぽを使った感情表現ができなくなる、傷口からウイルスが入り感染症を引き起こす原因になるなどのデメリットが目立ちます。海外では動物福祉の観点から「人が動物に与える苦痛は最小限に抑えるべき」という考えが強く、断尾を法律で禁じている国も多いようです。日本では各犬種の理想像を示す指標として「コーギーのしっぽは断尾もしくは5.1cmまで」と定められているため、断尾するケースが一般的でした。しかし、最近では海外の取り組みを見習って断尾しないブリーダーも増えてきています。今後はしっぽを切らないスタイルが主流になっていくことでしょう。 5.まとめ ほとんどのコーギーは生まれつきのしっぽを持っていますが、生後間もない頃にしっぽを切り取るケースが多いため、「コーギー=しっぽのないお尻」というイメージが定着しています。しっぽを切るようになった主な理由は、牧羊犬として働く際の安全確保や税金対策であり、その他にも感染症予防、キツネと間違われて撃たれるのを防ぐなどの歴史的な背景です。しかし、ペットとして育てられるのが一般的になった現代では、断尾の必要性はほとんどなく、海外では動物福祉の観点から断尾しないケースも増えてきています。今後は日本でもしっぽのあるコーギーが主流になっていくでしょう。
お近くの店舗を探す
特集記事一覧へ戻る
特集記事をもっと見る 猫用「うんち袋」の選び方|消臭効果や種類などについても解説 愛犬の餌に療養食(療法食)を与える際の注意点|具体的な種類も紹介 子犬におやつをあげるのはいつから?具体的な時期や種類などを解説 猫用品を人気で選ぶならどれ?トレンドやグッズの種類などを解説 ペット用品の人気の傾向|ペット別のおすすめの品も紹介 愛犬のドッグフードを「肥満対策」で選ぶ際のポイント・注意点を解説 愛犬の餌は無着色の方が安心?選ぶメリットや注意点を解説 猫用シャンプーはどれがおすすめ?愛猫のタイプ別に解説 ペット用ベッドにおしゃれを取り入れるには|選ぶポイントも解説 ペットシーツはどのタイプがおすすめ?種類や犬・猫別の違いも解説