子猫は離乳するまでミルクで育てる必要がありますが、市販の牛乳をあたえてもいいのでしょうか。また、ミルクはどのくらいの量や頻度であたえればいいのでしょうか。

子猫はまだ身体の機能が十分に発達しておらずとてもデリケートです。間違ったミルクのあたえ方をしていると、すぐに体調を崩してしまうかもしれません。

そこで今回は、子猫にミルクをあたえる頻度や手順、注意点について解説します。子猫にミルクを飲ませる前に、ぜひご一読ください。
1.猫には市販の牛乳ではなく猫用ミルク! 猫に市販の牛乳をあたえるのはNGです。牛乳には乳糖と呼ばれる糖分が含まれていますが、猫は乳糖を分解する機能が高くありません。そのため、猫に市販の牛乳をあたえると消化不良になり、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。猫には、必ず猫用のミルクを使用するようにしましょう。猫用ミルクは乳糖が少なく、猫に必要な栄養素が加えられているため、子猫の主食や成猫のおやつにピッタリです。また、猫用ミルクは牛乳よりも脂肪分が多めなので、子猫の成長に必要なカロリーやエネルギ―を適切に補うことができます。 2.子猫にミルクをあたえる頻度 猫の哺乳期間は生後1ヵ月頃までです。この時期は、消化機能が十分に発達しておらず固形物を食べられないので、母乳や猫用ミルクで栄養を摂取する必要があります。母乳には子猫に必要な免疫物質や栄養が含まれているので、生後1ヵ月までは母乳を与えるのがベストです。ただし、譲渡や保護により親猫から離れた子猫の世話をするなど、やむを得ない場合は猫用ミルクを利用しましょう。猫用ミルクは高脂肪・高たんぱくで母乳に近い栄養バランスになるように作られています。1日にあたえる頻度や量は、子猫の成長具合によって変化します。日数が経つとともに、一度にあたえるミルクの量を増やし、頻度は減らしていきましょう。1回にあたえるミルクの量と1日の授乳回数の目安は以下の通りです。
生後1~7日 5~10ccずつ、1日に8~12回
生後8~14日 8~15ccずつ、1日に4~8回
生後15~21日 欲しがるだけ、1日に4~6回
生後22~30日 離乳食をあたえてからミルクをあたえる。
ミルクは徐々に減らして離乳へ。
3.子猫にミルクを飲ませる手順 ここでは、子猫にミルクを飲ませる手順を具体的にみてみましょう。 事前に排泄を済ませる ミルクを飲ませる前に、排泄を済ませておきましょう。事前に排泄を済ませておくとお腹がスッキリしてミルクを飲んでくれやすくなります。通常、子猫は生後3週頃まで自力で排泄ができないので、母猫が子猫のお尻を舐めて排泄を促します。母猫がいない場合は、飼い主がティッシュなどで子猫のお尻を優しく刺激して排泄を促しましょう。 ミルクを作る 猫用のミルクは、パッケージに記載されている子猫の日齢や体重に合う容量で作ります。ミルクの適温は37℃程度の人肌です。実際に飲ませる前に手首にミルクを垂らしてみて、熱くないか、冷たくないかを確認しましょう。母乳から猫用ミルクに切り替えたり、今までと異なるメーカーのミルクを使ったりする場合は、少し薄めに作ったミルクをあたえてください。子猫の体調や様子をみながら、徐々に必要な濃度に合わせていきましょう。 ミルクを飲ませる ミルクはうつ伏せで飲ませましょう。人間の赤ちゃんのように、仰向けでミルクをあたえると、誤嚥してしまう可能性があります。後頭部を手で優しく支えながら哺乳瓶を口元に持っていき、斜め45度に傾けます。この際、子猫が空気を吸ってしまわないように、乳口はミルクで満たしておきましょう。子猫がミルクを吸うしぐさが見られたら少量ずつ飲ませます。口周りにミルクがあふれたり、乳首から口を離したりすれば、お腹がいっぱいになった合図です。口の周りをきれいに拭いて授乳の完了です。中々ミルクを飲んでくれない場合は、注射器やスポイトを用いて飲ませてみましょう。口先に数滴ずつ垂らすようにして、少しずつミルクをあたえると飲んでくれるかもしれません。 4.子猫にミルクを飲ませる際の注意点 ここでは、子猫にミルクを飲ませる際の注意点を紹介します。離乳するまで健康に育てられるように、以下のポイントを意識しましょう。 ミルクを作り置きしない ミルクは作り置きをせずに、その都度作りましょう。猫用ミルクは脂肪やたんぱく質が豊富に含まれているため、常温で放置すると雑菌が繁殖しやすいです。生まれて間もない子猫は免疫力が低いので、古いミルクを飲むことで体調を崩してしまう可能性があります。子猫に使用するスポイトや哺乳瓶などもその都度洗って、清潔に保つようにしましょう。 ミルクを強引に飲ませない ミルクを強引に飲ませないようにしてください。子猫によってはミルクの飲みが悪い子もいるかもしれません。栄養不足が心配だからといって強引に飲ませると、誤ってミルクが気管に入って肺炎の原因になる可能性があります。子猫にミルクを与えるときは、個々のペースに合わせることが大切です。 ミルクを過剰にあたえない 子猫がミルクを飲みたがるからといって過剰にあたえすぎるのもあまりよくありません。飲み過ぎにより嘔吐や下痢などの体調不良になることもあるので注意が必要です。子猫がミルクを飲んだ後は、一定時間目を離さずに体調の変化を見逃さないようにしましょう。 5.まとめ 生後1ヵ月までの子猫は、消化機能が十分に発達していないので、ミルクで育てる必要があります。子猫の栄養源として最も適しているのは親猫の母乳ですが、母乳を与えられない場合は、市販の牛乳ではなく猫用ミルクをあたえましょう。1日にミルクをあたえる頻度や量は、子猫の成長具合によっても異なります。最初は少量を何度もあたえ、徐々に量を増やしながら頻度を減らしていきます。ミルクは事前に排泄を済ませ、うつ伏せにして飲ませてあげましょう。子猫がミルクを飲まないときも強引に飲ませようとせず、その子にペースに合わせて授乳してあげることが大切です。ミルクをあたえた後は、子猫の体調に変化がないか確認してあげてください。
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