愛猫の体や寝床にフケが目立ち始めたとき、「何か病気なのでは?」と心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

実は、換毛期に猫のフケが増えるのは自然な現象のひとつ。日常ケアで改善できるケースが少なくありません。

この記事では、猫の換毛期にフケが増える理由と、家庭でできる対策をわかりやすくご紹介します。
1.猫の換毛期とは?毛が生え替わる時期と皮膚への影響 猫には季節の変わり目に古い被毛が抜け落ちて新しい毛へと生え替わる「換毛期」があります。一般的に春と秋の年2回訪れますが、室内飼育の猫は一年を通じて換毛が続くケースも少なくありません。換毛期になると毛根の活動が活発になるのと同時に、皮膚表面のターンオーバー(肌の生まれ変わり)も高まります。その結果、古い角質が剥がれやすくなり、フケとして目に見えるようになるのです。この時期の猫の体には、以下のような変化が起こりやすくなります。
  • 抜け毛が急激に増え、被毛の密度が変化する
  • 皮膚の角質サイクルが速まり、フケが増えやすくなる
  • 自分でグルーミングしにくい部位(背中・お尻周辺)に汚れや角質がたまりやすくなる
  • 過剰なグルーミングにより毛を飲み込む頻度が増える
換毛期そのものは健康な猫に起こる自然な変化です。ただし、フケの量が多い・皮膚に赤みがある・かゆみを強く示すといった場合は、別の原因も考えられます。まずは換毛期の仕組みを理解しておくことが、適切なケアへの第一歩です。 2.猫の換毛期にフケが増える主な原因 換毛期にフケが増える背景には、皮膚のターンオーバーの加速だけでなく、生活環境や食事内容など複数の要因が絡み合っています。猫は自分でグルーミングを行う動物ですが、換毛期には毛量の変化によってグルーミングが行き届きにくくなる部位が増え、角質や皮脂汚れがたまりやすくなります。フケが目立つ原因として、以下のようなものが考えられます。
  • 室内の乾燥:暖房・冷房による低湿度が皮膚の水分を奪い、角質が剥がれやすくなる
  • ブラッシング不足:脱落した被毛や古い角質が毛の中に蓄積される
  • 栄養の偏り:オメガ3・オメガ6脂肪酸やビタミン類の不足が皮膚バリアを低下させる
  • グルーミングの偏り:猫が自分で届きにくい背中やお尻周辺にフケが集中しやすい
  • ストレスや免疫の低下:季節の変わり目の環境変化が皮膚のコンディションに影響する
これらは多くの場合、日常ケアの見直しによって改善が期待できます。一方で、皮膚の赤み・強いかゆみ・円形脱毛といった症状が伴う場合は、真菌感染症やアレルギーなど別の疾患が疑われるため、動物病院での診察をおすすめします。 室内の乾燥が皮膚に与える影響 冬の暖房や夏の冷房が稼働する季節は室内湿度が大きく低下し、猫の皮膚も乾燥しやすくなります。皮膚の水分が失われると角質層が脆くなり、フケとして剥がれ落ちやすくなります。室内の湿度を50~60%程度に保つことが、フケ対策の基本として推奨されています。加湿器の活用や、水を飲みやすい環境を整えて水分摂取を促すなど、環境と内側の両面からアプローチするといいでしょう。 食事・栄養バランスとフケの関係 皮膚と被毛の健康維持には、良質なタンパク質・必須脂肪酸・ビタミンE・亜鉛などの栄養素が欠かせません。特にオメガ3・オメガ6脂肪酸が不足すると皮膚のバリア機能が低下し、フケや乾燥が目立ちやすくなります。換毛期に合わせてスキンケアをサポートするキャットフードの見直しも一つの対策です。サプリメントを取り入れたい場合は、かかりつけの獣医師に相談しながら進めることをおすすめします。 3.換毛期のフケを減らすための日常ケア方法 換毛期のフケは、日常的なケアの積み重ねで大幅に改善できます。なかでも最も効果的なアプローチがブラッシングです。抜け毛・古い角質・皮脂汚れを取り除くことで皮膚の通気性が高まり、フケの発生を抑えられます。換毛期に取り入れたいケアの基本として、以下を意識しましょう。
  • ブラッシングは短毛種で週2~3回、長毛種では毎日を目安に行う
  • 毛の流れに沿って優しく行い、力を入れすぎない
  • シャンプーは短毛種で年1~2回、長毛種で月1回程度を目安に、猫専用の低刺激タイプを選ぶ
  • ブラッシング後に蒸しタオルで優しく拭き取ると、皮膚の血行を促しリラックス効果も期待できる
  • フケが多く見られる背中・お尻周辺を重点的にケアする
猫がリラックスできる状態でケアを行うことが継続のコツです。嫌がるようであれば無理をせず、短時間から慣らしていきましょう。 猫の毛質別・ブラシの選び方 猫の被毛は短毛・長毛・ダブルコート・シングルコートなど種類によって異なり、適切なブラシも変わります。短毛種にはラバーブラシやコームが皮膚への刺激を抑えながら汚れを取り除くのに向いています。長毛種にはスリッカーブラシやアンダーコートに届くコームが有効です。毛質に合わないブラシを使うと皮膚を傷めたり、猫がブラッシングを嫌がる原因になったりするため、愛猫の被毛タイプを確認してから選ぶことをおすすめします。 猫のシャンプーとフケケアの注意点 猫は自分でグルーミングを行う動物のため、頻繁なシャンプーは皮脂バランスを崩しフケを悪化させることがあります。シャンプーは短毛種で年1~2回、長毛種で月1回程度を目安とし、猫専用のものを使いましょう。洗い残しは皮膚トラブルの原因になるため、すすぎを十分に行い、ドライヤーで素早く乾かすことが大切です。シャンプーを極端に嫌がる猫には、蒸しタオルでの拭き取りや猫用ウェットシートで代替するケアも有効です。 4.こんなフケは要注意!獣医師に相談すべきサインとは 換毛期にフケが増えること自体は珍しくありませんが、フケの性状や量、皮膚の状態によっては、皮膚の病気や全身的な健康上の問題が関係していることがあります。日頃からブラッシングのタイミングで皮膚の状態を観察する習慣をつけておくと、異変に早く気づくことができます。以下のようなサインが見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
  • フケの量が急激に増えた、または2~3週間以上ケアを続けても改善しない
  • 皮膚が赤くなっている、または腫れている箇所がある
  • 強いかゆみがあり、頻繁にかいたり噛んだりしている
  • 円形や不規則な形の脱毛が見られる(皮膚糸状菌症の疑い)
  • フケに独特のにおいがある(マラセチア皮膚炎の疑い)
  • 食欲低下・体重減少など全身的な変化も伴っている
特に皮膚糸状菌症(いわゆるリングワーム)は人にも感染する可能性がある感染症のひとつです。複数の猫を飼っている場合や小さな子どものいる家庭では、感染が広がらないよう早めの受診が大切です。 5.まとめ 猫の換毛期にフケが増えるのは、皮膚のターンオーバーの加速や乾燥・栄養バランスの乱れ・ブラッシング不足などが主な原因です。日常的なブラッシングや室内の湿度管理、食事の見直しといったケアを続けることで、多くのケースで改善が期待できます。一方で、皮膚の赤みや強いかゆみ、脱毛など気になるサインが出たときは、早めに動物病院を受診しましょう。愛猫の皮膚と被毛の健康を守るために、日頃からスキンケアを意識してみてください。
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