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【獣医師監修】犬のノミ・マダニ対策しないとどうなる?放置リスクと今日からできる予防法
掲載日: 2026.03.19
愛犬と楽しく散歩をしていたら、帰宅後にしきりに体を掻いている…そんな経験はありませんか?もしかすると、ノミやマダニが寄生しているのかもしれません。
ノミやマダニは、かゆみや皮膚トラブルだけでなく、重い感染症を引き起こすこともある厄介な寄生虫です。犬だけでなく飼い主さんや家族にまで被害が及ぶケースもあり、「うちの子は大丈夫」と油断は禁物です。
この記事では、ノミ・マダニの感染経路や放置リスク、予防薬の選び方から日常のケアまでご紹介します。
1.犬にノミ・マダニが寄生する原因と感染経路
ノミやマダニは、散歩中の草むらや公園、他の犬との接触など、日常のさまざまな場面で犬に寄生します。マダニは春から秋にかけて活動が活発になりますが、冬場でも完全には活動が止まらないことがあり油断はできません。ノミは室内でも繁殖するため、季節を問わず注意が必要です。
主な感染経路は次のとおりです。
野生動物(タヌキやハクビシンなど)が出入りする庭先での接触
飼い主の衣服や靴に付着して室内に持ち込まれる
室内飼いでも完全に安全とは言い切れません。「外にあまり出ないから大丈夫」と思っている飼い主さんも、こうした経路があることを知ったうえで予防を考えておくと安心です。
2.犬のノミ・マダニ対策しないとどうなる?放置で起こるリスク
ノミ・マダニ対策をしないまま放っておくと、皮膚炎や貧血だけでなく、命に関わる感染症や飼い主さんへの二次被害にまで発展するおそれがあります。マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は人にも感染する病気で、厚生労働省もくり返し注意を呼びかけています。主なリスクは次のとおりです。
ノミアレルギー性皮膚炎による激しいかゆみ
大量寄生による貧血(子犬や小型犬で深刻化しやすい)
瓜実条虫(サナダムシ)への二次感染
マダニが媒介するバベシア症やSFTSなどの感染症
家庭内でのノミの大量繁殖と人への健康被害
こうしたリスクは、対策を怠る期間が長引くほど深刻になるため、症状が出る前からの予防が大切です。
犬に現れる症状と健康被害
ノミに寄生された犬は、ノミアレルギー性皮膚炎を起こし、激しいかゆみから体を頻繁に掻いたり噛んだりして皮膚が赤くただれてしまうことがあります。マダニの場合は吸血による貧血のほか、バベシア症にかかると発熱や食欲の低下、重い貧血を引き起こし、対応が遅れると命に関わるケースも。日頃から愛犬の皮膚や被毛をよく観察して、気になる変化があれば早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。
人間や家庭環境への二次被害
ノミは犬だけでなく人間も刺し、強いかゆみや皮膚炎を引き起こします。室内に持ち込まれたノミはカーペットや布製品に卵を産みつけ、短期間で爆発的に増えてしまうことも。マダニが媒介するSFTSは人が感染すると重症化するケースがあり、愛犬のノミダニ対策は家族全員の健康を守ることにもつながります。
3.犬のノミ・マダニ予防薬の種類と選び方
ノミ・マダニ対策の基本は、動物病院で処方される予防薬を定期的に投与することです。予防薬にはいくつかの種類があり、犬の体質や暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。
スポットオンタイプ(滴下型):首の後ろに垂らすだけで手軽。シャンプーの頻度には注意が必要
経口タイプ(チュアブル):おやつ感覚で投与でき、シャンプーの影響を受けにくい
オールインワンタイプ:ノミ、マダニ、フィラリアなどをまとめてカバーできる
市販品と動物病院の処方薬では有効成分や効果が異なる場合があるため、初めて使うときは獣医師に相談するのがおすすめです。
予防薬の投与時期と頻度の目安
ノミ・マダニが活発になる時期は地域によって異なりますが、暖かい季節は定期的な投与が推奨されています。温暖化の影響も近年は冬場でも活動が確認されるケースがあり、通年投与をすすめる獣医師も増えてきました。投与頻度は月1回の製品が多いものの、長く効果が続くタイプもあります。お住まいの地域に合ったスケジュールは、かかりつけの獣医師に相談して決めるとよいでしょう。
予防薬を使うときの注意点
処方された予防薬は、指示された方法とスケジュールを守って使うことが基本です。多頭飼いの場合、犬用の製品を猫に使うと重い中毒症状を起こす危険があるため、それぞれの薬を取り違えないよう気をつけましょう。市販の駆除製品を自己判断で併用すると過剰投与につながるおそれもあります。投与後に嘔吐や下痢といった症状が見られたら、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。
4.日常生活でできるノミ・マダニ対策と早期発見のポイント
予防薬と合わせて、毎日のケアを取り入れることで対策の効果をぐっと高めることができます。散歩後のボディチェックやこまめなブラッシング、室内の清掃といった基本的な習慣が、寄生の早期発見と被害の最小化につながります。マダニは吸血前であれば比較的取り除きやすいため、散歩のあとの確認がとても重要です。
散歩後に耳の裏、目の周り、指の間、内ももなどをチェックする
定期的なブラッシングでノミの糞(黒い粒状のもの)がないか確認する
犬用ベッドやブランケットをこまめに洗濯し、室内を清潔に保つ
庭がある場合は草を短く刈り、マダニが潜みにくい環境をつくる
マダニを見つけた場合は無理に引き抜かず、動物病院で取ってもらう
日頃のケアは飼い主さんにしかできない大切な予防行動です。愛犬の小さな変化を見逃さない観察の習慣を身につけていきましょう。
5.まとめ
犬のノミ・マダニ対策を怠ると、皮膚炎や貧血だけでなく、命に関わる感染症や家族への二次被害につながるおそれがあります。室内飼いの犬でも、散歩や飼い主さんの衣服を通じて寄生されるリスクはゼロではありません。
予防の基本は、動物病院の予防薬を定期的に投与すること。加えて、散歩後のボディチェックやブラッシング、室内の清掃を日課にすれば、より効果的にノミ・マダニから愛犬を守れます。
「まだ被害が出ていないから大丈夫」ではなく、症状が出る前からの対策が何より大切です。愛犬と家族の健康を守るために、今日からできることを始めてみましょう。
監修者プロフィール
獣医師:中野 崇先生
ペテモどうぶつ医療センター幕張新都心 内科医長
イオンペットアカデミー非常勤講師
・酪農学園大学獣医学部卒業
・北海道内の動物病院にて 3 年間勤務
・株式会社 VSC (現イオンペット) 入社し、千葉市の動物病院にて院長として勤務 (7 年)
・ペテモどうぶつ医療センター幕張新都心にて主に内科の診療に従事 (11年)
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