愛犬の体に白い粉のようなものがパラパラと…。換毛期を迎えると、抜け毛だけでなくフケの量が気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

少量のフケであれば自然な現象ですが、量が多かったりベタつきがあったりすると、「もしかして皮膚の病気?」と心配になるものです。

この記事では、換毛期にフケが増える仕組みから、自宅でできるケア方法、動物病院を受診する目安まで詳しく解説します。
1.犬の換毛期にフケが出るのはなぜ?仕組みと原因を知ろう 犬の換毛期は一般的に春(3~7月頃)と秋(9~11月頃)の年2回とされていますが、室内飼いの犬では空調の影響で時期がずれたり、季節の区切りが曖昧になったりすることもあります。この時期には古い被毛が大量に抜け落ちて新しい毛に生え替わりますが、同時に皮膚のターンオーバー(新陳代謝による皮膚の生まれ変わり)も活発になるため、古い角質が通常より多く剥がれ落ちてフケが増えやすくなります。犬の皮膚のターンオーバーは約3週間といわれていますが、換毛期にはそのリズムが変化し、フケが目立ちやすくなることがあります。フケが増える背景としては、主に以下の要因が考えられます。
  • 皮膚のターンオーバーが活発になり、角質が多く剥がれ落ちる
  • アンダーコート(下毛)の大量脱毛により皮膚が蒸れたり乾燥したりしやすくなる
  • 季節の変わり目の気温や湿度の変化が皮膚に影響を与える
少量の粉状フケであれば過度に心配する必要はありませんが、量や質感に変化が見られた場合は別の原因が隠れている可能性もあるため、愛犬の皮膚の状態を日頃から観察しておくことが大切です。 換毛期がある犬種とない犬種の違い 犬にはアンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)を持つダブルコートと、オーバーコートのみのシングルコートがあります。柴犬やゴールデン・レトリーバー、コーギーなどのダブルコートの犬種は、換毛期に大量の抜け毛とフケが出やすい傾向にあります。一方、プードルやマルチーズなどのシングルコートの犬種は明確な換毛期がなく、フケも比較的少なめです。愛犬の犬種の特徴を知っておくと、フケの増減が正常かどうかの判断材料になります。 2.換毛期のフケで注意すべき症状と考えられる病気 換毛期に増えるフケのすべてが心配なものとは限りませんが、フケの量や質感、かゆみや脱毛の有無によっては皮膚の病気が隠れている場合があります。犬の皮膚は人と比べて薄くデリケートなため、ちょっとした環境の変化や免疫力の低下で皮膚トラブルにつながることがあります。特に換毛期は皮膚のバリア機能が不安定になりやすく、普段は問題のない常在菌やダニ類が悪さをしやすい時期です。以下のような症状が見られたら、早めに動物病院に相談しましょう。
  • フケが大量に出て、ブラッシングしていない状態でも被毛の表面に白く目立つ
  • ベタベタした脂っぽいフケ、またはかさぶた状の大きなフケが出ている
  • 皮膚の赤みや強いかゆみ、部分的な脱毛がフケとともに見られる
  • フケの範囲が全身に広がっている、または特定の部位に集中している
換毛期だからと見過ごさず、普段との違いに気づいたら早めに獣医師の診察を受けることが大切です。 フケに関連しやすい代表的な皮膚の病気 犬のフケを伴う代表的な病気としては、膿皮症(細菌感染による皮膚炎)、マラセチア皮膚炎(酵母の一種が増えすぎて起こる皮膚炎)、皮膚糸状菌症(カビの一種が原因)、ツメダニ症や疥癬(ダニの寄生)、アレルギー性皮膚炎、脂漏症などが挙げられます。ただし、これらの病気は症状が似ていることも多く、フケの見た目だけで原因を判断するのは難しいものです。気になるフケや皮膚の変化が見られた場合は、自己判断で対処せず、獣医師に診てもらうようにしましょう。 3.自宅でできる換毛期のフケ対策とケア方法 換毛期のフケを減らすためには、日々のケアを丁寧に行うことが基本です。皮膚や被毛のコンディションを整えることで、ターンオーバーの乱れを防ぎ、フケの発生を抑えやすくなります。ただし、やりすぎは逆効果になることもあるため、愛犬の皮膚の様子を見ながら無理のない範囲で取り組みましょう。自宅で取り入れやすい対策として、以下のポイントを押さえておくのがおすすめです。
  • ブラッシングは換毛期には毎日行い、アンダーコートまで届くよう地肌からしっかりとかす
  • シャンプーは一般的に月1~2回が目安とされているが、愛犬の皮膚の状態や獣医師のアドバイスに合わせて調整する
  • 室内の湿度を調整して、エアコンや暖房による過度な乾燥を防ぐ
  • 皮膚の健康を支える栄養素としてオメガ3・オメガ6脂肪酸などがあるため、栄養バランスの取れた食事を基本とする(サプリメントの追加を検討する場合は獣医師に相談)
ケアを続けてもフケが良くならない場合やかゆみが見られる場合は、無理にシャンプーの回数を増やさず、獣医師に相談しましょう。 ブラッシングの正しいやり方と注意点 換毛期のブラッシングでは、表面をなでるだけでなく、地肌からブラシを通してアンダーコートの抜け毛をしっかり取り除くことが大切です。スリッカーブラシやコーム、抜け毛専用ブラシなど、愛犬の毛質に合った道具を選びましょう。力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまい、フケが悪化する原因になることもあるため、やさしく丁寧に行うのがポイントです。日頃からブラッシングに慣れさせておくと、換毛期のケアもスムーズに進みます。 シャンプーと保湿ケアの選び方 フケが気になるときこそ、シャンプーの種類と頻度を見直してみましょう。洗浄力の強いシャンプーは必要な皮脂まで落としてしまうことがあり、かえって皮膚の乾燥を招く場合があります。犬用の低刺激シャンプーや保湿成分を含むシャンプーを選び、すすぎ残しがないよう丁寧に洗い流すことが大切です。シャンプー後には保湿スプレーやコンディショナーで皮膚のうるおいを補うのも効果的です。なお、人間用のシャンプーは一般的にpH(酸性・アルカリ性の度合い)が犬の皮膚に合わないとされているため、犬用のものを使うようにしましょう。 4.換毛期のフケで動物病院を受診すべき目安とは 換毛期のフケは自然な現象であることも多いですが、状態によっては動物病院での診察が必要なケースがあります。判断に迷ったときは、フケの量や見た目の変化、かゆみや脱毛の有無、どのくらいの期間続いているかなどをチェックしてみてください。特に換毛期が終わってもフケが治まらない場合は、皮膚の病気や内分泌の病気(ホルモンバランスの乱れによる体の不調)など別の原因が考えられるため、早めの受診がおすすめです。 受診の目安
  • 自宅でのケアを続けても2~3週間以上フケが良くならない
  • フケと同時に赤み、かゆみ、かさぶた、脱毛など複数の症状が出ている
  • ベタベタした脂っぽいフケや、大きな塊状のフケが見られる
  • 愛犬が頻繁に体をかいたり、特定の部位をしきりになめたりしている
  • 換毛期が過ぎてもフケの量が減らない
日頃のブラッシング時に皮膚の状態をチェックする習慣をつけておくと、異変に早く気づくことができます。愛犬の皮膚の健康を守るためにも、気になることがあれば自己判断せず、かかりつけの動物病院に相談すると安心です。 5.まとめ 換毛期にフケが増えるのは、皮膚のターンオーバーが活発になるためで、少量であれば自然な現象です。ただし、ベタつきのあるフケや大量のフケ、かゆみ・脱毛を伴う場合は皮膚の病気が隠れている可能性もあるため、普段との違いを見逃さないようにしましょう。自宅でのケアでは、毎日のブラッシングや適度な頻度でのシャンプー、室内の湿度調整、バランスのよい食事が基本です。力を入れすぎないブラッシングや、保湿ケアを取り入れることで、皮膚への負担を減らせます。
お近くの店舗を探す
特集記事一覧へ戻る
特集記事をもっと見る 【獣医師監修】犬のノミ・マダニ対策しないとどうなる?放置リスクと今日からできる予防法 ペット用消臭スプレーの選び方とおすすめタイプ|安全性や消臭方式の違いを解説 保護犬・保護猫を迎える準備ガイド|お迎え前に知っておきたいこと うさぎが震える原因とは?病気のサインや対処法を詳しく解説 【獣医師監修】猫が吐くけど元気なのはなぜ?原因と様子を見てよい場合・受診の目安を解説 【グルーマー監修】猫がブラッシングを嫌がる理由と克服法|無理なく慣れさせるコツを解説 犬の歯磨きガムの選び方と効果的な与え方|歯周病予防のポイントを解説 【獣医師監修】猫の鼻水が出る原因とは?色・状態別の見分け方と対処法 猫が食べやすい食器とは?選び方とおすすめのポイント 犬猫が冬の散歩で服を嫌がらない方法|着せ方のコツと選び方のポイント