愛犬との安全な避難生活に備えるためには、防災備蓄の準備が欠かせません。飼い主は万一に備え、何をどれだけ用意すべきか優先順位を明確にした上で、愛犬と自分自身のための備蓄を効率的に進める必要があります。

自宅の備蓄スペースには限りがあるため、愛犬専用のもの・飼い主と共用できるものを区別し、平時から計画的に備えておきたいところです。この記事では、災害時に愛犬と避難することを想定し、防災対策や備蓄すべきグッズなどについて解説します。
1.愛犬と防災に備える上で重要なこと 愛犬のことを考えつつ、防災対策として備蓄を検討している場合、飼い主は次の3点について意識を向けることが大切です。
  • 用意するものの「優先順位」を決めること
  • 避難所等での生活に役立つものを用意すること
  • 愛犬とはぐれるリスクを想定すること
自宅の限られたスペースに備蓄できる容量は限られているため、何を、どれだけ用意するかについて、あらかじめ考えておくことは非常に重要です。愛犬専用のものと人間と共用できるものを分けて考え、平時からそれぞれ絶対に必要だと思うものをまとめておきましょう。 2.愛犬用の防災備蓄グッズ 愛犬との生活や健康管理に必要な防災グッズとしては、次のようなものを備蓄しておくと安心です。 愛犬の命をつなぐグッズ 普段食べているフード類や水は、災害時に愛犬の命をつなぐものとなるため、緊急持ち出し用と備蓄品の両方を準備しておきましょう。特別なフードを食べさせている場合、薬を服用している場合などは、それらも併せて準備しなければなりません。 愛犬の情報を他の人に伝えるグッズ 鑑札や注射済票、迷子札など、愛犬がはぐれたときに備えて「他の人がどこの・誰の犬か分かる」ようなグッズを準備しましょう。まだマイクロチップを装着していない場合は、万一に備えて装着しておくのも一手です。 普段の生活に必要なグッズ 地震が発生した場合、避難ルートの道路状況が悪くなっている可能性が考えられるため、愛犬にケガをさせない移動方法を確保しておきたいところです。持ち運び可能なキャリーやケージがあると、愛犬に負担をかけず移動ができます。食器や水入れ、ブラシなどは、できるだけ普段使用しているものを持ち出して、愛犬の負担を軽減してあげましょう。首輪やハーネス・リードに関しても予備の準備があると安心です。 トイレ用品 避難所でペットと生活する場合、ペットを飼っていない人たちと共同生活する場面を想定して、排泄物を迅速に処理できるような用意があると安心です。ペットシーツやウェットティッシュ、排泄物処理グッズなどを準備しておきましょう。 3.愛犬と飼い主が共用できる防災備蓄グッズ 愛犬と飼い主は一緒に行動するため、防災グッズを用意するなら飼い主と愛犬で共用できるものは共用した方が荷物を減らせます。よって、次のようなグッズは共用を想定して備蓄してもよいでしょう。 軟水であれば、基本的に人間も犬も問題なく飲めるため、飲み水・生活用水は基本的に人間と同じものを用意して差し支えありません。ただし、ミネラルウォーターやフレーバー付きの水、炭酸水などを与える場合は注意が必要です。市販されているミネラルウォーターの中には、水中に含まれる炭酸カルシウムが多く含まれるものも多く、そのような水を飲むと愛犬の体内に結石ができてしまう恐れがあります。また、甘いフレーバー付きの水・炭酸水は、犬に飲ませても健康に支障はないとされますが、そのせいで普通の水が飲めなくなるリスクがあるため、常飲させるのは控えましょう。 救急セット 医療用ハサミやピンセットなどの救急セットは、包帯・ガーゼを切ったりトゲを抜いたりするのに使用できます。バスタオルや毛布も共用できるため、飼い主が特に気にしないのであれば共用してもよいでしょう。ただし、包帯・ガーゼ・綿棒などは、衛生面から「1回限りの使い捨て」として使用しなければなりません。また、愛犬が下痢している状況であっても、人間の薬を犬に与えるのは毒になるリスクがあるため控えましょう。 日用品・防寒具 ビニール袋や新聞紙、カイロなど、人間と犬が必要に応じて役立てられる日用品や防寒具は、共用して差し支えありません。愛犬用の服や靴がある場合は、そちらを用意しておくと寒さ・ケガ対策になります。 4.愛犬向け防災備蓄グッズ準備の注意点 せっかく防災グッズを用意しても、使い方に慣れていなければ意味がないため、普段から災害を想定したグッズの使い方・利用するシチュエーションについて勉強しておくと安心です。また、普段からキャリーバッグに慣らすなど、有事の際に愛犬が不安なく避難所まで移動できるよう訓練しておくことも大切です。その他、避難所にはペットに対して苦手意識を持っている人も少なくないため、そのような人たちを安心させられるよう、基本的なしつけは正しく行いましょう。 5.まとめ 愛犬と一緒に災害を乗り切るための準備を進めるには、限られたスペースでの備蓄計画が重要です。避難所生活の想定外の継続、愛犬とはぐれるリスクなどを想定し、必要なものの優先順位を決め、状況によっては飼い主と共有できるものもリストアップしておきましょう。有事に取り乱さないよう、平時から防災グッズの使い方に慣れておき、キャリーでの移動訓練・しつけといった対応も済ませておくと安心です。なお、人間と犬は身体の構造が違うため、人間用の薬を愛犬の体調不良に独断で処方することは控えましょう。
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